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あきる歯科ブログ 2016年1月

予防の神様 熊谷崇先生が発信する予防歯科 

こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。

歯科では特に近年予防に力をいれており、予防の内容もずいぶん変わってきました。
〇虫歯のリスクがどれくらいあるかの検査による個人個人のリスク判定
〇フッ素の使い分け
〇3DS(薬剤をマウスピースに入れたものを装着して歯の周囲の菌を減らす方法)
〇シュガーコントロール
〇キシリトール100%のガムやチョコ等々
皆さんどれくらいごぞんじでしょう? 


 今週の1/28に、カンブリア宮殿という番組で、予防歯科で有名な日吉歯科の熊谷崇先生が出演します。
歯 科界では予防の神様とも呼ばれる有名な方で、SATという歯科医師向けの講習会も主催しており、僕の同級生も参加して、「日吉のスタイルで治療したい」とずいぶん感銘を受けてい ました。日吉歯科の予防プログラムの内容については臨床の達人シリーズとして出版もされており、僕自身もずいぶん参考にさせていただきました。

「臨床の達人シリーズ」の熊谷先生の言葉を一部抜粋すると、

治療前の検査に関して
「カ リエスリスクを判定することでハイリスクかローリスクかをまず知ることができます。ハイリスク者の場合は何が問題なのかを分析してリスクコントロールのた めの計画を立てて実践することになりますが、その時大切なことは患者さんが実行可能な治療計画を立てるということです。ローリスクの人は定期的にPMTC を受けるくらいでいいわけです。」

日吉歯科で行っている患者セミナー(初診前の患者さんに対して行う歯科医師、衛生士のの役割や、歯の病態、メンテナンスによりどれだけ歯の寿命が延びるかなどのデータを用いた説明会)について話した後
「マスコミが正しい情報を流さないという側面もあります。たとえば週刊誌などにフッ素は毒と考える人の一方的な意見が載る。こうしたエビデンスの無い情報をいとも簡単に流してしまう背景が問題です。」

リスクコントロールの一つとして食事指導に対して
「飲食回数については、とにかく1日5回くらいまでは許容範囲としています。ただし寝る前に食べるのをやめる。飴をなめるのもやめる。おやつの時間は食事と食事の間にうまく設定する。甘いものはデザートとして食べれば毎日食べても問題ない。」
「だ いたい、甘いもの好きでたくさん虫歯になってしまった子どもに甘いものを食べるなと言って守れるわけがありません。禁止するのではなく、食べ方を教えた り、手入れの仕方やフッ化物の使い方を指導したり、定期的にチェックに来てメンテナンスすることを約束させた方がいいわけです。」

虫歯のリスクが高い時の対応策の例として

「た とえば、ミュータンス菌(虫歯菌)の質と量を変える必要なある場合、キシリトールを1日4~5回接種してもらうと半分くらいの人でミュータンス菌が減少 し、プラーク形成能も落ちます。キシリトールガムをかむことで唾液分泌量も増えるので再石灰化にも期待が持てるなどいい面を利用することができます。ま た、3DSという選択もあるでしょう。」

SOT(治療が終わった後の、メンテナンスまでの期間)について

「治 療が終わって快適になると、もう治ったと思うのですね。『治ったのではなくて、コントロールしなくてはならない病気なので、定期的に繰る必要がある。』こ とを治療たび、あるいは予防のたびに話すけど体験したことがないからどういうことがメンテナンスかわからないわけです。けれども1か月くらいならまた来ま すので、初診時と治療時のデータに関してもすべて説明してこういった状態を維持するためにはあなたは3か月ごと(患者さんによって違います)に来てメンテナンスをする方が有利だと伝えます。」

どうでしょう? 歯磨きとお掃除だけでない予防歯科の一面が少しでも伝わったでしょうか?

リスク検査や食事指導はあきる歯科でも開始する予定です。
キシリトールや3DSは現在も行っています。

治療後のSOTに関しては、患者さんの状態をみて案内していますが、これがあるとないとでは次の検診のときの状態が結構違います。これは、患者さんにとってもすごくいい時間だと思います。

また、この本には載っていないですが、軽度の虫歯でも現状維持が可能なら削らないで経過を見ていくというのも最近の歯科の考えの一つにあります。熊谷先生もよくこのことについてお話しされています。小さいお子さんで治療が難しいために十分な治療ができない場合などは特に、削るよりも、軽度であればフッ素や、虫歯の穴の封鎖、食事指導で経過を見た方がいいケースが多いです。

このあたりのお話も出るのではないかと思います。番組がどのような内容かわかりませんが、予防の取り組みについて知る良い機会になることは間違いないので皆さんもぜひご覧になってください。

待合い室掲示物 更新

こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。

待合室の掲示物を更新しました。 
1年前に予防特集から、日本人の歯の寿命を長くする会のお話に張り替え、今回は治療説明関連で、いろいろな治療を紹介しています。

 

こちらは生体シリコンを入れ歯の裏側に張り付け、痛みが出ないようにしている入れ歯
コンフォートのポスター。



いろいろ変わってますのでご覧になってみてください。

イケメンドクター 「頬ポン」の新井先生涙活中  

こんにちは、あきる歯科の濱窪です。

今週発売の「女性自身」1月26日号に、「涙活」の一環で勤務医の新井先生が登場してます。



相変わらず甘いですね。



新井先生が個人的に行っている活動なので僕は現場を見たことはないのですが、
ちょっと見てみたいかも(そして後で冷やかしたい)



 基本的に真面目でシャイではにかみ屋の印象の新井先生なんですが、こんな活動もしています。
顔が院長室にいるときと違う・・・。

勤務医の意外な?一面紹介でした。

重度の歯周病の場合 治療法

こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。

前回に引き続き歯周病のお話です。

 重度の歯周病の場合は、歯がぐらぐらする、歯茎が腫れる、においがする、 重い感じやうずく感じがする等の症状が出ていることが多いです。これは、本来歯にくっついている歯茎がはがれ、歯と歯茎の間に隙間ができている(歯周ポ ケットといわれる歯と歯茎の間の溝)部分にばい菌がたまり、歯茎の中に隠れているために歯ブラシが届かずばい菌が繁殖していることが原因です。

下図でいうと、プロフェッショナルケアで対応する部分には、歯ブラシが日常届いていないということです。




 歯周病の治療は、溶けた骨を完全に回復させることは難しいため、歯茎の腫れを抑え、場合によっては外科手術で肉芽を切除したり、歯茎を切って自分の歯ブラシでお掃除できる状態に戻すことが目標になります。

 重度の歯周病の場合の治療は基本的に歯の周囲のお掃除を行い、中等度の歯周病と同じように、見えるところのお掃除、歯茎の中に隠れている部分のお掃除を行い、それでも届かないほど骨が溶けている方は、外科手術を行うことになります。

 この場合もセルフケアを徹底的に行い、平行してプロフェッショナルケアを行うことで、手術なしでも改善する場合はありますが、少しづつ歯茎の状態を改善していくため時間がかかります。

 また、根が複数ある歯の場合、歯を支える骨が溶けることで、根と根の間の部分がまったく磨けない状態になってしまい、通常の外科手術でも治療が難しくなってしまう場合があります。

 下図のような状態の場合、根と根の間のスペースは、仮に歯茎の腫れが落ち着いたとしてもセルフケアできれいにしていくのは難しいです。実際は下図と違い歯に奥行きがあることや、根の間の部分に器具を入れることが難しいからです。


 この場合は、歯を分割したり、悪くなった根の部分を1本抜くことで清掃性をよくすることもあります。
無理をして歯をすべて残すよりも、手入れを簡単にできるようにして残った部分を長く使えるようにすることが大事なこともあるということです。

 もちろん、残せるのなら残した方がいいのは間違いないので、歯周病の傾向がある場合は進行する前に歯科医院で診てもらいましょう。


歯医者がすすめる歯周病の治療 軽度の場合、中等度の場合

こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。

 歯周病は、テレビやCMでも耳にすることが多くなり、それなりに知識を持ってる方も多いと思いますが、やっぱりまだまだ
知られていないことが多い病気です。昔は歯槽膿漏とも呼ばれていました、これは、歯周病が進行して歯茎から膿が出る状態を指しています。

 単純にお話しすると、歯周病は、歯の付け根や歯と歯の間にたまった食べかすからバイ菌が繁殖し、そのために歯を支える骨がなくなってしまうという病気です。歯周病の困った点は、症状が出にくいため自覚できずに進行してしまうことと、気が付いた時にはある程度進行してしまい元の健康な状態に戻せなくなってしまうという点です。

 そのため、進行させないための予防が非常に重要になります。今の歯科医院の多くが、検診を3か月から半年の間隔でお薦めしているのは、この予防を行うためという点が大きいです。

 初期の症状としては、歯磨き時の出血や、歯茎の発赤、腫脹(歯の付け根が赤くなったり、腫れぼったくなっている状態)がありますが、痛みや、明確な腫れといった症状が出ないため、なんともないよとそのまま放置してしまっている方が多いです。この状態であれば、超音波によるお掃除や、機械のブラシによる清掃で改善することが可能です。歯磨きで出血する方、歯間ブラシを通すと出血する方、リンゴなどをかじると血が付く方、見た目で歯ぐきが赤い方、歯間ブラシやフロスを通すと臭いがする方は要注意ですので歯科医院で検査することをおすすめします。

 中等度以上になると、歯茎がうずいたり、見た目で分かるほど腫れたり、独特の口臭がにおう様になります。自覚症状が出始めるので、このあたりで歯科医院に来院する方も多いと思います。ただし、中等度となると、歯を支える骨が溶けてしまい、完全に元に戻すのが難しくなります。この状態での治療も基本的にはお掃除になりますが、初期の場合と違い歯茎の中に隠れている部分のお掃除が必要になるケースが出てきます。
 この段階での治療の目標は、清掃により炎症を抑えて、歯茎の腫れを小さくし、歯茎に隠れてしまっている自分で磨けない部分の歯石やばい菌を除去し、自分で歯磨きすることで汚れを落とせる状態に戻すことになります。もちろん、骨がなくなった分歯茎のラインは下がりますので見た目は歯が長くなったように感じられることもあります。また、歯が根元まで露出することにより、歯と歯の間の隙間も大きくなります。

 中等度の歯周病のお掃除は、ばい菌の住処になるとはいえ、歯の表面に壁のようについている歯石を除去することになるので、器具をあてることによって痛みが出るため麻酔が必要になる事や、歯石がなくなることで歯がしみることがあります。痛いのが嫌だから、歯周病の治療に行かなくなったという方も多いと思います。しかし、お掃除をしなければ結局ばい菌が繁殖して歯周病が進行し、より歯ぐきが腫れてしまったり、歯がぐらぐらして抜けてしまうという状態になってしまいます。
 この段階では、1回のお掃除だけでは除去しきれないため、歯茎の上の見えるところのお掃除と、歯茎の中の隠れている部分のお掃除と回数を分けてお掃除を行うことになります。

 痛いのが苦手な方は、時間と回数をかけて清掃を行うことで痛みを少なくして炎症を改善する方法もあります。
当院で行っているスウェーデン式の歯周病治療では、痛みを少なくして治療を行うことも可能なのでご希望の方はお声掛け下さい。

 歯ブラシでは、歯茎の中を完全にきれいにすることは難しいですが、ブラシが届く範囲の汚れがきれいになれば、10日ほどで歯ぐきの出血や腫れは落ち着いてきます。そうすると、引き締まった歯茎の中にアプローチしやすくなりますので、届く範囲でお掃除をしていけば徐々に歯茎は引き締まり、届かなかった深い歯茎の中の汚れをとれるようになります。もちろん歯科医院でのチェックや、歯ブラシが届かない部分の清掃、磨き方の指導を受けながらセルフケアを行っていく必要があります。

 重度になるとセルフケアだけでなく、手術が必要になるケースも出てきますので、これについてはまた別にお話ししようと思います。

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